【Meet KSI vol.1】
3.11をきっかけに環境課題へ携わる道へ /
求人情報プラットフォーム担当 佐藤李子

サステナビリティスペシャリストの育成をめざす「鎌倉サステナビリティ 研究所(KSI」のメンバーのこれまでのキャリアや、気候危機をはじめとした環境問題に関わる思い・課題を聞いていきます。まずは、環境問題に関わる仕事をはじめたいというみなさんをサポートする求人情報プラットフォーム「Hoopus.」を運営する佐藤李子のストーリーをお届けします。


こんにちは、鎌倉サステナビリティ 研究所(以下KSI) で、求人情報プラットフォーム「Hoopus」を運営する佐藤李子です。

私はKSIには2020年12月から携わっていますが、実は再生可能エネルギー事業の会社でのフルタイムでのお仕事と並行して、複業という形で関わっています。
担当する求人情報プラットフォーム「Hoopus」には、これまでのキャリアや培ってきたスキルを生かして環境問題に携わる仕事を始めてみたいという方がたくさん登録してくださっていますが、そんなみなさんにとって、私のこれまでのキャリアでの選択や複業という働き方が、ひとつの参考になれば嬉しいです。

新卒で総合商社に入社、3.11をきっかけに環境課題へ携わる道へ

大学卒業後は新卒で総合商社に入社し、自動車取引を行う事業部の経理に配属になりました。

3年半、会計・税務の勉強・業務と事業会社の管理の仕事をしました。

その後退職し、半年ほど旅行をしたりしながら過ごしていましたが、2011年3月の東日本大震災後、環境活動への取り組みの盛んなアウトドアアパレルブランド、そして同時期に創業した再生可能エネルギーの事業会社に、それぞれパートタイムで入社しました。この時が私の最初の”複業”経験です。

その後、再生可能エネルギーの事業会社でのお仕事をフルタイムに切り替え、バックオフィスの立ち上げから、人事、法人向け営業、関連するチームや事業の立ち上げ、広報、と10年間で様々な部署を経験してきました。


自分なりに考え動いた結果、自然と”複業”という形に

環境課題に携わる仕事を始めたいと思ったのは、もともと海で泳いだりサーフィンしたりすることが好きな私が”特別な場所”と感じていた海で、自然環境や気候が変化していくのを感じたからです。

自分がこれまでにしてきた行動や選択が、それを悪化させることに寄与してしまっていると感じた時、何か直接的な行動を起こそうと思ったのがきっかけでした。

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KSIで複業をすることになったのは、再生可能エネルギー会社での仕事に加えて「いま動かなくては気候変動を止められない」という危機感が高まり、もっと直接的に何かできることはないかとプロジェクトを探していた際、それを相談した知人に紹介して頂いたのがきっかけでした。
実は、再生可能エネルギーの会社やKSI以外にも、捨てられる傘の生地をつかったアップサイクルのブランドや、ふるさと函館の魅力を発信する事業、ヨガのインストラクターもしているのですが、それぞれの持つ魅力を感じている活動だというのはもちろん、すべての共通の軸になっているのは環境課題です。

『環境課題を何に包んで伝えたら広がりやすいか・伝わりやすいか』を考えて、自分なりに動いた結果、自然と”複業”という形になっていました。


環境課題に対してどれだけ大きなインパクトを及ぼせるか

複業は、それぞれ課題へのアプローチの仕方が異なり、色々な方向に自分の力を生かすことができるので、とてもやりがいがあります。KSIで担当している求人プラットフォームでは、再生可能エネルギー会社での人事の経験を生かすことができていますし、双方の仕事がそれぞれに相乗効果が出せる時は嬉しいです。

私はひとつのことに集中するというよりも、同時に複数のチャレンジをしている方がバランスを取りやすいので、この働き方は私には向いていると思っています。

活動や仕事を選ぶ基準としては、環境課題に対しどれだけ大きなインパクトを及ぼせるか、自分がどれだけ役に立てる現場か、そして自分がどれだけやりたいとパッションを持てるか、のバランスで選んでいます。

環境課題解決に向けた仕事は手触りをもって達成感を感じるのはなかなか難しい仕事ですが、なるべく、今目の前の仕事一つひとつがどうやって環境課題解決につながるのか、どのくらいのインパクトがあるのか、自分なりに考えて、今の立ち位置を確認するようにしています。

以前にアウトドアアパレルブランドと再エネ事業会社の掛け持ちをしていた頃、気づいたら肝心の海に行く時間がないほど仕事を詰めてしまっていて失敗した経験があるので、最近の複業については、時間の上限を認識して、ちゃんと遊ぶ時間や、休む時間もとるようにしています。

私は複業に対するハードルが低いので、過去の経験がなければ、詰め込み過ぎてパンクしていたかもしれません。たまに「やっちまった!」ということは、まだありますが…。

ただ、不安という意味では、複業やフリーランスで働く上での社会保険など制度上の仕組みがまだ整っていないので、今後そういったところが整備されていくとありがたいなと思います。


気候変動のために何かしたいなら、今がチャンス

気候変動解決のために何かしたい、と少しでも思っているなら、始めるのは今だと思います。

この10年で気候変動対策を実行しなければ、手遅れになってしまうということは科学的にも示されています。

私は、海辺で小さなごはん屋さんをやりながらのんびり暮らすのが夢ですが、今の状況では安心してその暮らしができないから、「もうあと10年」と決めて今の仕事をしています。

そして、気候変動に関するニュースは悲しくなるものが圧倒的に多いですが、現場で働いている方は必ずしも悲観的ではありません。

「気候変動」や「脱炭素」が最近浸透してきた言葉であるように、気候変動に携わるお仕事は新しい分野のプロジェクトなので、携わっている方たちは、新しいことを考え出したり、作り出したりして、前向きに進んでいる印象です。

私たちもこのプラットフォームを通し、そういう現場のことをどんどんお伝えしていきたいと思います。


まずは片足を今の軸に置いたまま、チャレンジしてみるのもあり

いくら新しい分野の活動に関心があっても、両足を一気に動かすのは大転換で、色々大変なことも出てくると思います。

そういう意味では、まずは片足は今の軸に置いたまま、もう1つの足だけ動かして新しいことにチャレンジしてみるのは、それが許される状況なのであれば、おすすめです。


転職や新しい仕事には、すっごく覚悟して飛び込まないといけない、という雰囲気があるように思いますが、そこまで大ごとにしなくても、気軽に新しいチャレンジができるようになったらいいですよね。複業が許される会社なのであれば、その恵まれたその機会を活かしてみたらきっと何か新しいものが見えると思います!