【よく聞かれる質問に全部答えます】気候変動に取り組むNGO・非営利団体 Q&A
「サステナビリティ・気候変動に仕事として取り組みたい」と考えている場合、非営利セクターはぜひ検討したい転職先の一つです。しかし、非営利団体での勤務経験がない方や非営利団体が身近でない方にとっては、働き方や待遇など、わからないことが多いはず。サステナビリティや気候変動問題の解決に特化した求人情報プラットフォームであるHoopus.(フーパス)が、よく聞かれる質問にお答えします!
そもそも非営利団体とは
Q. 非営利団体ってなんですか?
気候変動などの特定のテーマの解決に貢献することをミッションに活動する団体です。一般社団法人、公益財団法人、特定非営利活動法人など、団体の在り方はさまざまです。共通しているのは、利益を上げることや事業を継続・拡大することではなく、特定の社会課題の解決にコミットしていることです。
有償スタッフがいる団体、ボランティアスタッフが運営している団体がありますが、ここではスタッフが給与を得て仕事として活動している非営利団体について説明します。
Q. 活動費はどこから出ているのですか?
財団や支援者による寄付、企業とのパートナーシップ、物販など、さまざまな方法で資金を調達しています。資金調達の方針は団体ごとに異なります。
特定の活動に対して資金調達する場合(例:特定の調査・研究、特定の産業へ働きかけを行うキャンペーン活動等)には、その活動を行なっている期間、成果が認められている期間のみ支援を得られます。状況やニーズに応じてプロジェクトや手法を変えながら活動する団体の場合は、団体のミッションそのものを支持する支援が多い方が、安定的な活動に繋がります。
コミットした活動を行い、成果を出すことができているかを、支援者に報告します。
Q. 気候変動に取り組んでいる団体はどんな団体がありますか?
地球規模の気候変動に取り組む、有償のスタッフが在籍している非営利団体は、日本に少なくとも25団体以上あります(Hoopus.調べ)。グローバルなネットワークを持つ国際団体から、日本に活動に特化した国内の団体までさまざまな団体があり、それぞれの専門分野や手法で活動しています。
気候変動に取り組む団体は、団体同士での横の連携も強く、お互いのリソースを生かして、調査やロビイング、記者会見などを共同で実施するなど、協力し合いながら取り組んでいます。
Q. 気候変動に取り組む上で、営利団体との一番大きな違いはなんですか?
一番の違いは、気候変動問題の解決そのものにコミットできることです。また、非営利団体では気候変動にまつわる制度や多排出企業の脱炭素戦略、金融システム、世論に影響を与えることを目指しているため、一つの企業が出せるインパクトを超えて、社会の仕組み自体へアプローチできることも違いの一つです。
非営利団体の活動
Q. 気候変動に取り組む非営利団体は何をしているのですか?
気候変動に取り組む非営利団体では、温暖化を1.5度までに抑えるという共通の目標を実現するために、主に以下のような活動を行っています。1つの団体で複数の活動をする場合もあれば、特定の分野に特化している場合もあります。
- 調査・分析:どのセクターが・どのように・どの程度変わればいいか明らかにする。1.5度目標に整合する社会的・経済的な必要性・合理性をアピールする。
- ロビイング:COP等の国際会議の交渉官や、議員、省庁などに対し、情報や人脈・交渉力を活用して、意思決定プロセスに効果的に介入する。
- キャンペーン:排出責任の大きい企業などのステークホルダーに対し、事実を明らかにしたり社会的プレッシャーを高めたりして、脱炭素に向けた行動を引き出す
- エンゲージメント:ステークホルダーと共通の目的を見出し、協働することで行動を引き出す
- 情報提供・コミュニケーション:影響力のあるメディアやオピニオンリーダーに対する情報提供や、市民に対する直接の情報発信により、気候変動に対するナラティブを変える
- コミュニティ育成:変化のために行動する企業・グループ・地域・市民を増やすために、啓発しコミュニティ・ネットワークを育てる
詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
Q. どんな仕事・職種がありますか?
「Q.気候変動に取り組む非営利団体は何をしているのですか?」にあるような活動に従事するために、さまざまなポジションがあります。Hoopus.では気候変動に取り組む非営利セクターの仕事を以下の8つに分類しています。
- キャンペーン・プロジェクト担当
- 政策・アドボカシー担当
- 調査・分析担当
- 広報・コミュニケーション担当
- ボランティア・ネットワークマネージメント担当
- ファンドレイジング担当
- バックオフィス
- 組織運営・エグゼクティブ
それぞれのお仕事カテゴリーについては、こちらをご覧ください。
Q. 非営利団体の活動はデモなどのイメージがあります
デモや直接的な批判などの直接行動は、メディアの関心を集めたり、議論を巻き起こしたりする目的で戦略的に使われる手法の一つです。団体の方針によってデモなどの手法を取る団体と取らない団体があります。デモなどはSNSやメディアの報道でも目にするため目立ちますが、「Q. 気候変動に取り組む非営利団体には、何をしているのですか?」にあるように活動手法は多岐に渡ります。
Q. どのように目標設定・評価を行うのでしょうか?
まず気候変動を1.5度までに抑えるという大きな目標に対して、団体の特性を活かして、どのようなテーマで、どのようなアプローチで取り組むのか定義します。そして、客観的評価が可能なSMART目標*を設定して取り組みます。
個人評価の方法は団体によって異なりますが、一般的な企業での評価と同様に、団体としての目標・部としての目標・チームとしての目標を設定し、それぞれに対し役割に応じて個人の貢献・成長目標も設定し、評価を受けます。
*Specific=具体的、Measurable=測定可能、Achievable=達成可能、Realistic=現実的、Time Bound=期限付きの頭文字をとった、目標達成状況を明確に評価するための目標設定方法
非営利団体への転職
Q. サステナビリティ・気候変動に関する仕事をした経験がなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。もちろんポジションによって経験が求められる場合もありますが、サステナビリティ・気候変動についての知識・経験よりも、例えばマーケティングに関するノウハウ、金融システムに関する知識、マネージメントの経験など、これまでのキャリアで培ってきたスキルが、非営利セクターでは今求められています。
気候変動について詳しくなくても、仕事をしながら活動分野に特化して勉強したりトレーニングを受けることもできます。その方が必要な知識を効率的に身につけられる場合もあるでしょう。
Q. 非営利の仕事は企業に比べて給与・待遇が劣るイメージがあります。
待遇は、団体によって異なりますがが、ここ数年で気候変動について活動する非営利セクターは大きく変化しており、活動が多角化し、専門性を持つ人材のニーズが高まっていることから、競争力のある職場を目指して働き方や待遇も改善傾向にあります。企業に見劣りしない待遇のポジションもあります。
詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
Q. どんな業界からの転職が多いですか?
「Q. どんな仕事・職種がありますか?」にあるように、気候変動に取り組む非営利セクターにもさまざまな職種があるため、それぞれの職種に活かせる経験・スキルを持っていれば、特定の業界出身でなくても活躍できます。
8つの職種でどのような職業から転職しやすいか、お仕事カタログでもご紹介しています。
Q. 非営利団体って、ハードワークで残業・土日出勤が多そうです。
企業と同様、団体や職種によって、働き方や働く曜日は異なります。例えばボランティアマネージメント担当なら、イベントなどで土日出勤になることも多いかもしれません。しかし非営利団体も企業と同じように法律に従っていますので、出退勤記録をつけ、休日出勤があれば代休を取ります。
採用プロセスの中で、平均的な出勤・退勤時間や土日出勤の頻度などを質問してみて、自分が希望する働き方ができるかどうかチェックしてみるとよいでしょう。
Hoopus.と一緒にあなたの力を活かせる仕事を見つけよう
Hoopus.(フーパス)は、サステナビリティや気候変動問題の解決に特化した求人情報プラットフォームです。気候変動問題へ取り組みたいというあなたの想いに寄り添って、団体様とのマッチングをお手伝いさせていただいています。
ぜひこちらからHoopus.に登録していただいた方には、ご希望の方にカジュアル面談を実施しています。このようなご質問にお答えしますので、ぜひ登録してカジュアル面談もご活用ください。