【PICK UP INTERVIEW vol.16】小さな一歩から、ムーブメントは生まれる ー 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン増山理人さん

Hoopus.(フーパス)は、鎌倉サステナビリティ研究所(KSI.)が運営する、サステナビリティと気候変動問題の解決に特化した求人サービスです。PICK UP INTERVIEWでは、気候変動解決に関わるお仕事情報をピックアップ。それぞれの団体で働く人々の熱い想いや職場の雰囲気をお伝えします。

今回インタビューしたのは、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンで「コミュニティ・アウトリーチ・キャンペーナー」として、市民や他団体との協働を通じてコミュニティと繋がり、グリーンピースの活動を広げている、増山理人さんです。大学在学中から始めたバックパッカー、青年海外協力隊での活動、そして外資アウトドアアパレル企業での16年を経て、2025年3月にグリーンピース・ジャパンへ入職。「より直接的に、気候変動解決に取り組みたい」という思いで踏み出したキャリアチェンジの軌跡と、現職でのお仕事を伺いました。

増山理人さん

*関連記事:【PICK UP INTERVIEW vol.5】環境問題の最先端で、政府や企業に働きかける「キャンペーナー」という仕事 グリーンピース・ジャパン 高田久代さん
https://hoop-us.org/blog/2022/07/greenpeace/


ーグローバルな環境NGOでの仕事

改めて、グリーンピース・ジャパンのことについて教えてください。

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、企業や政府に働きかけるキャンペーンを軸に活動しています。グリーンピースは国際団体で、55以上の国と地域で活動していますが、日本には、現在約35人のスタッフがいます。

部署は4つに分かれていて、私が所属する、環境保護のキャンペーンを企画して実行していくプログラム部、個人会員の方を増やしたり活動内容を会員や一般の方へ発信したりするファンドレイジング&エンゲージメント部、人事・ITなど働きやすい組織作りを行うピープル&カルチャー部、そして経理・財務・法務などのバックオフィスを担当するファイナンス&リーガル部の4つがあります。その中で一番大きいのが、プログラム部です。

年齢層は20代から60代までいますが、30〜40代のスタッフが多いです。フルタイムやパートタイムのスタッフだけでなく、業務委託やインターン、ボランティアの皆さんも一緒に活動しています。

グリーンピース・ジャパンのことは転職前からご存知でしたか?実際に入職してみて、どんな組織でしょうか?

前職でも市民団体・環境NGOとの活動が多かったため、また、元グリーンピース・ジャパンの方と一緒に働いたことがありその方からお話を聞いていたため、グリーンピース・ジャパンのことは転職前から知っていました。

実際に入職してみて感じたことは、国際NGOということもあり、労務・バックオフィスが充実しているということです。世間ではグリーンピースに対して色々なイメージがありますが、非常に論理的な組織です。みなさんそれぞれ、環境や地球の将来に対して愛情をもって仕事をしていると感じています。

チームワークもよく、色々なNGOや外部団体とコラボレーションしながら活動を進めています。

また、グローバルな組織なので、他の地域の情報も入ってくるため良い刺激をもらっています。働き方としても、リモートと出社のバランスがよく働きやすい環境です。

「コミュニティ・アウトリーチ・キャンペーナー」というポジションについて教えてください。

グリーンピース・ジャパンで実施しているキャンペーンの目的に沿った組織・個人の力を集め、仲間を増やしていく仕事です。ボランティアや他団体(地元のNGO等)、地域コミュニティと繋がり、相互に協力を得られる機会・活動の場を作り支援します。そしてこれらの活動を適切に世の中に発信し、社会全体で機運を高めることに繋げていくことを目指して活動しています。

キャンペーンを進めるために、外部の組織・コミュニティと協働します。そのためにネットワーキングしたり、個人ボランティアのコーディネートをしたり、イベントを実施したりします。具体的な働き方としては、それぞれのキャンペーンを担当するキャンペーナーのもと、リサーチャーやアクションコーディネーターなどとともに、プロジェクトの目的・ゴールを達成するため、ボランティアや他団体、地域コミュニティとつながり、相互に協力できる機会を作り活動を行っていきます。キャンペーンだけではなく、ファンドレイジングチームとの協働や学校での環境教育や講義などを実施することもあります。また、グリーンピース・ジャパンは「ゼロエミッションを実現する会(https://zeroemi.org/)」の事務局を務めているのでそのサポート業務もありますし、「ワタシノミライ(https://watashinomirai.org/)」の実行委員としての業務もあります。

団体の中・外いずれも多くの人と関わるポジションですが、どんなときにやりがいを感じますか?

私たちが実施したイベントを通してボランティアになったりゼロエミッションを実現する会に参加してくれたりと、イベントに参加した人が一歩踏み込んでくれたり、行動を促すことにつながった、ということがやりがいになっています。

これまでイベントや勉強会を実施し、学生から社会人まで色々な人が参加してくれました。中には「今まで何かしたかったけれどできなかった」という社会人の方もおり、そういう方が私たちのイベントを通して「自分の興味のあることでまずは一歩を」と踏み出してくれることが嬉しいです。一人一人の一歩が重なって増えていくことでムーブメントになっていくと思います。

アースデイ東京にて

ー直接的に気候変動課題の解決に関わる道

増山さんは、なぜ環境問題に関心を持ち、仕事をするまでになったのでしょうか?

環境社会問題、地球環境のことに興味がありました。大学在学中よりバックパッカーで旅をする中で、中南米・アフリカ・南アジアを訪れ、社会問題・貧困問題・環境問題を目の当たりにして、環境社会問題に関心が高まりました。

青年海外協力隊でニカラグアに赴任し、ストリートチルドレンの保護活動を行っていました。

そしてその後は外資系アウトドアアパレル会社に勤め、製品販売などの業務から、環境活動にも携わっていました。この会社は環境社会活動に熱心な会社で、ビジネスとアクティヴィズムの両輪で、仕事に関わることができました。

青年海外協力隊時代

そこからさらに転職された理由は何だったのでしょうか?

暑すぎる夏、増加する自然災害など、もっとこの気候変動の問題に対して活動していきたい気持ちが強くなったんです。ビジネスを通してではなく、もっとダイレクトに関わることを考えました。直接的に気候変動や環境問題に注力し、自分がする全ての仕事がそこに関わるように、自分の労力や時間をもっとそこに集中させたいという思いがありました。

転職活動では、色々な組織をみて検討しました。「環境問題×コミュニティ・クリエイティブ」というような仕事を漠然とイメージして仕事を探していました。妥協せずに仕事を探していましたが、なかなか見つからずに時間がかかり、”本当にそういう仕事があるのか”と諦めそうになったこともありました。しかし2024年の年末にグリーンピース・ジャパンの「コミュニティ・アウトリーチ・キャンペーナー」というポジションの求人を見つけ、それが自分のやりたいこととばっちりフィットし、応募に至りました。

気候変動課題解決や地球環境に関わる仕事がしたいと思っている方へ、メッセージをお願い致します。

転職までいかなくても、小さな一歩を踏み出す方法は色々あります。ボランティアで関わってみること、「ゼロエミッションを実現する会」のような市民のみなさんが参加できるプロジェクトなど、少し空いた時間で無理せずに参加できる機会があります。そういうところから、ぜひ小さな一歩を踏み出してみてほしいです。

そうすると、同じ価値観を持った人に出会うことができます。自分は1人ではないと感じることができ、そこにいる仲間と協働することができるんです。

そうして、まずは一歩進んでみると、今後のキャリアを具体的に描けるチャンスになると思います。

個人として、アート活動を行っており、ニカラグアなどの貧困問題への関わりを続けているという増山さん。鎌倉市にてフェアトレード関連の活動にも関わるなど、公私での活動を続けていらっしゃいます。

今後は、アートや音楽など、楽しいと思えるような活動の機会をつくり、気候変動に関心があるけれども行動できていないという人たちが一歩を踏み出しやすくするような場をつくっていきたいということです。


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