気候変動に関わるお仕事カタログ
キャンペーン・プロジェクト
適性チェック!
こんな人に向いている
- 気候変動に戦略的なアプローチで取り組みたい
- 特定のテーマ・問題について深く、じっくり取り組みたい
- ルーティンワークより、目的に向かって臨機応変に動くのが好き
- 自分と異なる価値観・意見を人と対峙しても動揺しない
- 関係構築が得意で、他者と協力して物事を進めるのが好き
このカテゴリーのポジション例
キャンペーナー、プログラムマネージャー、プログラムコーディネーター、プロジェクト推進担当
役割・アウトプット
キャンペーン担当・プロジェクト担当は、団体の活動の中核を担うポジションです。気候変動を抑制するという最終的なゴールを見据えて、各団体の特色やリソースを活かして、活動の戦略を立案し、実行します。
各団体の気候変動問題へのアプローチは多岐にわたるため、プロジェクトの内容は団体によって様々です。例えば化石燃料産業や自動車産業、金融など、気候インパクトの大きい特定の産業にフォーカスして、その産業の変革を目指す活動や、森林や海洋などの生物多様性の保護を目的に企業や消費者と協働する活動、政府の気候政策・エネルギー政策に影響を与える政策提言活動など、プロジェクト自体は様々ですが、役割やアウトプットには、共通点があります。
a) 戦略立案
この役割ではまず、現状と温暖化を1.5度までに抑えるという大きなゴールまでのギャップを把握し、ゴールを実現するまでの道筋(変化のセオリー Theory of Changeなどと呼ばれます)を描いていきます。そのために、現状を調査・分析し、ステークホルダーや力関係(ステークホルダー分析、パワー分析などと呼ばれます)を理解していきます。そして、短期・中期の目標を立て、どのアクターにどのように影響を与えることが目標達成につながるかを考えます。また、団体ごとの強みや役割を踏まえて、具体的な行動計画を立てていきます。
b) プロジェクトマネージメント
プロジェクトのリーダーとして、立案した戦略の実行をリードし、進捗を管理していきます。スケジュールや予算を管理しながら、プロジェクトに関わる団体内外の協力者とともに計画を実行し、目標にどれくらい近づいているのか定期的に評価します。また、プロジェクトに関する知識を常にアップデートし、社会情勢や進捗具合に応じて戦略をフレキシブルに調整していきます。他団体などと協働するプロジェクトでは、協力者の戦略や理念を理解した上で、共通目的を定めて、柔軟に対応することも必要です。
c) エンゲージメント & スポークスパーソン
働きかけ対象となる企業や政府機関などに対して、関係構築や交渉、対話を行います。また、メディアや一般オーディエンスに対して、そのプロジェクトについてスポークスパーソンとして発信する役割を担う場合もあります。
求められるスキルや経験
- 客観的評価が可能な短期目標と具体的な行動計画を立てる戦略的思考
- 現状分析や計画の進捗についての、調査やデータを元にした批判的評価
- 交渉や対話の場で、論点を整理して伝え、望む結果を引き出す交渉力・文書作成力
- 他の非営利団体やプロジェクトのステークホルダーとのネットワーキング力
- 担当プロジェクトについて分かりやすく伝え、協力を呼びかけるパブリック・スピーキング力
- 担当分野についての知識、ステークホルダーや力関係についての調査・分析のスキル
この仕事についている人の声
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プロジェクト・コーディネーター Aさん
どんな経験が生かされていますか?
以前は教育や研究の分野にいましたが、情報を探し、整理して、資料にまとめ、さまざまな場面で多様な人に伝える、という経験は、今の仕事にも非常に有益です。例えば複雑な研究を一文で要約しなければならないのと、メディアに担当プロジェクトについてわかりやすく伝えるのは似ていますし、研究に関連する突発的な出来事に対応して、状況に素早く柔軟に対応した経験は、今の仕事にも生かされています。
この仕事のやりがいはなんですか?
気候変動の分野では、仕事に深い目的意識があり、たとえ小さな仕事をするときでも、団体の目標や戦略を理解していれば、満足感があります。その仕事によってどのように目標に近づけるかを理解しているからです。自分がやってきたことが直接影響する変化を目の当たりにしたときは、なおさらです。
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キャンペーナー Bさん
どんな経験が生かされていますか?
キャンペーナーは、自分が取り組んでいる課題について、口頭や文書など様々な形で発信することが求められます。前職は税務コンサルタントでしたので、クライアントの状況を踏まえながら担当者に提案のプレゼンテーションをしたりレポートを作成したりした経験は、キャンペーンを実施していくうえで活かされていると感じています。また、税務コンサルタントとして税務に関係する法令を読み、どのような解釈ができるのかを検討した経験は、現職において気候変動に関する様々な法律案を分析する際に役立っています。
この仕事のやりがいはなんですか?
自分たちの仕事が社会や環境を損なうものではなく、誰もが暮らしやすい社会を実現するためのものであると、心から信じられることが、この仕事のやりがいです。