気候変動に関わるお仕事カタログ
コミュニティ・ネットワークマネージメント
適性チェック!
こんな人に向いている
- 人の成長や教育に関心が高い
- 人と接すること、人と人を繋げることが好き
- オープンマインドで、意見や感情を伝えたり、聞いたりできる
- 大勢の人の前で話したり、場を進行したりすることに抵抗がない
- 協力を得るために、自ら積極的に動いて関係構築することができる
このカテゴリーのポジション例
コーディネーター、コミュニティエンゲージメント、ボランティアコーディネーター、ネットワーク事務局
役割・アウトプット
コミュニティオーガナイザー・ネットワークマネージメントは、特定のコミュニティに対して、気候変動への意識を高め、積極的な行動を促進する役割を担います。対象となるコミュニティは、企業グループから、経営者グループ、ユースグループ、女性グループ、地域グループなど、団体の活動内容によって様々です。対象となる人に対して、気候変動への意識を高める取り組みを企画して新たなメンバーをリクルートしたり、トレーニングを提供したり、継続的なサポートでエンパワーしたりすることを通じて、団体の取り組みに参加する人や、気候変動に対して自主的に行動できる人を増やすことを目的としています。コミュニティに促す行動は様々で、例えば企業グループや経営者グループなら、政策ロビーングや業界団体としての提言などのハイエンドな活動に繋げたり、ユースや保護者グループなどなら、横のつながりで気候変動への危機意識を高めて賛同者を増やしたりします。
a) 啓発とリクルートメント
団体の方針やプロジェクトの戦略に応じて、協働するコミュニティを決めたり、エンゲージしたい個人の人物像を決めたりして、アプローチします。気候危機の現状について効果的にコミュニケーションすることで、気候アクションへの関心を高めて、コミュニティやネットワークのメンバーへリクルートします。
b) イベントや研修などのプログラムの企画・実行
コミュニティイベントなどを通して断続的にエンパワーしていく場合や、数日や数週間単位の集中的な研修を行う場合など、戦略によって提供するプログラムは異なりますが、そのプログラムの企画・実行を担当します。企業ネットワークなどのコミュニティの場合は、ネットワーク内の対話や連携の機会を創出したり、気候政策などについての最新情報をインプットしたりします。
c)継続的とエンゲージメントやアクションのサポート
コミュニティのメンバーが、気候アクションを取れるように継続的にコミュニケーションをとって支援し、行動を一緒に企画したりコーディネートしたりします。企業ネットワークなどの場合は、業界として共同で発信するメッセージを取りまとめる、政策提言をする、ロビーイングをするなどのプロジェクトのコーディネートをします。
求められるスキルや経験
- 司会やファシリテーションなど場を進行するスキル
- 大勢の人の前で話すプレゼンテーションやパブリックスピーキングのスキル
- 不特定多数の人々が集まるイベントやワークショップ、トレーニング等の企画・運営経験
- 利害の異なる立場の人々の対話を調整するコーディネーターの経験
- 傾聴、質問、評価を通じて人の成長をサポートするコーチング力
- 幅広い人脈を作り、必要な協力を得られる関係構築力
- 対象に合わせて柔軟にコミュニケーション方法を使い分けるなど、臨機応変に働き方を調整できる
この仕事についている人の声
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コミュニティ・オーガナイザー Kさん
どんな経験が生かされていますか?
前職では、総合職で営業、開発、財務経理、経営企画など仕事の範囲が多岐に渡る部署にいたので、少数精鋭の組織で、臨機応変に必要な役割やタスクを担っていました。また、新規事業を担当していたことも、新たに事業を開拓していく現在の仕事に生かされています。
この仕事のやりがいはなんですか?
気候危機は全人類の今後の命運がかかっている人類最大の危機の1つとも言われており、やりがいがもの凄くあります。また、日本では気候変動の市民活動が欧米諸国に比べて盛んではないので、自分の一歩も重要な一歩になることも自己効力感を感じます。
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副事務局長 Lさん
どんな経験が生かされていますか?
前職では、精密機器メーカーの開発企画部門に勤務し、マーケティングから新製品の立ち上げの業務に就いていました。営業、開発、工場部門から意見を吸い上げて新製品に反映させたり、立ち上げでは各部門の協力を得るために調整する必要があったため、顔を合わせて話す、指示や依頼をするだけでなく積極的に動いて関係を築くことを心がけていましたが、この経験は現在の仕事でコミュニティと協業したり、ネットワークを構築する際に相手から信頼を得たりすることに生かされています。気候変動に取り組む仕事でも、基本的な業務スキルが必要になるし、どんな職業でも生かせる経験はあると思います。
この仕事のやりがいはなんですか?
パートナー企業とのコラボイベントや企業向けの気候変動講習を実施していますが、コミュニティのコアメンバー向けに開催した3日間のサミットでは、変化を目の当たりにすることができました。専門家による講演や参加者同士のディスカッション、アウトプットを行い、コミュニティの横のネットワークができて、脱炭素社会に向かうというゴールがクリアになったことで、会の途中から目の輝き、モチベーションが生まれました。サミット後には、社内講習会を開催したり、一般向けのイベントの場で、大きな問題にパートナーシップで取り組んでいく企業の姿勢を打ち出すなど、変化が見られました。自分一人、一つの団体だけでは活動に限界がありますが、ネットワークが繋がる事によって限界突破できること、そして脱炭素の取り組みが徐々に生まれてシステムの変化に近づいていることにやりがいを感じています。気候変動が進むスピードを止めるには足りていなくても、次の時代により良く繋げることに貢献できていることを嬉しく思います。