気候変動に関わるお仕事カタログ
調査・分析
適性チェック!
こんな人に向いている
- 好奇心が強く、粘り強く継続的に、データや業界動向を追いたい
- 数字が好きで、数字に向き合って情報を読み取れる
- 論理的な思考が得意で、矛盾、曖昧さを指摘できる
- 細部に注意して、間違いをなくすことにこだわれる
- わかりやすさ・正確さを軸にコミュニケーション・発信ができる
このカテゴリーのポジション例
リサーチャー、研究員、調査研究スタッフ
役割・アウトプット
調査・分析担当は、各団体のプロジェクト・活動への科学的・論理的根拠となるデータや分析を提供します。調査・分析対象は、団体の特性や募集するポジションによって異なりますが、大きく分けて、1) 政策や企業の気候変動対策を評価するために取り組みや実績を調査・分析するもの、2) 気候変動やエネルギー転換についてのシナリオ作成やモデル分析をするもの、3) 森林破壊や汚染などの気候変動や環境破壊の現状について調査するもの、などに分けることができます。調査対象がどのようなものであっても、求められる役割やアウトプットには共通点があります。
a) 調査設計
まず重要なのは、団体のプロジェクトや活動の目的を達成するために、どのようなデータや分析が必要とされているのか、調査設計をすることです。団体内のプロジェクト担当などと連携しながら、現在市場にどのような調査結果があるのか、プロジェクトの狙いを達成するにはどのようなデータや分析結果が有効になり得るかを検討し、調査の目的、実際の方法やタイミングを設計します。
b) データ分析・レポート作成
調査設計に基づいて、調査を実行・調整し、机上研究または実地研究、訪問・聞き取り調査等によってデータを収集します。データを分析し、課題や解決策を整理して、ターゲットオーディエンスに合わせてレポートを作成します。
c) コミュニケーション
非営利団体での研究活動は、調査結果をどのように広げ、活用するかを重要視します。手法は様々で、レポートや資料、書籍の発行、ステークホルダーへのプレゼンテーション、メディアへのブリーフィング、セミナーでの講演、自治体の審議会への資料提供等といったものもあります。調査結果をオーディエンスに合わせてコミュニケーションし、調査に関してスポークスパーソンとなったり、プロジェクト担当がキャンペーン対象に調査結果を用いてアプローチする際にサポートしたりします。研究員自身がコミュニケーション企画を担当することもあります。
求められるスキルや経験
- 目的に合わせた調査設計するための戦略的思考
- 机上調査および実地調査、シナリオ分析のノウハウ・実績
- データ提供元の端末使用経験
- エクセル等を使用したデータ整理
- 公的文書を読み解き、理解する力
- 社会に影響を与えることを目指したレポート等のアウトプットの作成能力
- 調査結果をオーディエンスに合わせて、論理的にわかりやすく伝えるプレゼン・コミュニケーション力
- 国内外のリサーチャーやデータアナリストとの連携・人脈・ネットワーク構築
- (分野が特定されたポジションの場合)分析対象への深い理解・最新情報への理解
- (研究対象によって)日本語以外で情報収集できる言語力
この仕事についている人の声
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アナリスト、日本投資家エンゲージメントリード Eさん
どんな経験が生かされていますか?
私は業務企画職よりアナリストに転職しました。基本的なことですがビジネスマナーやリサーチスキル、プレゼンの資料作成スキルは現職でも活きていると感じています。また、民間企業にいたからこそ想像できる内部事情も、企業の方とコミュニケーションを取るうえで役立っています。
この仕事のやりがいはなんですか?
気候変動という大きな問題に対して、いち企業に所属しているだけでは貢献に限りがある中で、企業から金融、行政等、幅広い方々に向けてデータを提供し、活用いただいていることにやりがいを感じています。
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主任研究員 Fさん
どんな経験が生かされていますか?
研究職で培った分析・考察といった調査手法やレポート作成方法は大いに活かされています。また、再生可能エネルギー関連のNPO法人で活動していた経験もあり、その経験から事業・プロジェクトの概要を掴みやすくなっていると思います。
この仕事のやりがいはなんですか?
調査結果を踏まえて、政策や事業に反映されることがあり、そうした「動く瞬間」に立ち会える際、仕事へのやりがいを感じます。
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アナリスト Gさん
どんな経験が生かされていますか?
ESGアナリストとしての経験はもちろんのこと、大学院で培ったリサーチ・文章構成、環境教育の「伝えるノウハウ」、プロジェクト管理、デジタルリテラシーなど、これまでのキャリアでの色々な経験が、今の仕事に生かされていると思います。
この仕事のやりがいはなんですか?
気候危機のアドボカシー活動の基盤作りが調査・分析だと思いますので、仲間をサポートすることと達成目標を追求することが、仕事への原動力になっています。
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日本担当アナリスト Hさん
どんな経験が生かされていますか?
マスコミで記者をやっていた経験から、簡潔かつ過不足なく要点を抑える能力や、多くの文献に当たって論点を把握する能力が生かされています。また、日本大使館での勤務を通じて、政策立案の仕組みや省庁内部での議論の進み方なども知ることができたので、今の仕事でエンゲージメント戦略を立てるうえで有用な知識・経験となっています。
この仕事のやりがいはなんですか?
分析結果をコミュニケーションする過程で、相手が気づいていなかった・問題意識を持っていなかった点について、相手の考え方や行動に変化を起こせるところにやりがいがあります。日本では脱炭素において分野によっては欧州の後追いになっていることもあり、グローバルな議論に追いついていないステークホルダーもいる中、自分たちの情報提供によって新たな脱炭素への取り組みが始まったり、「新しい戦略をつくります」という言葉をもらったりするときに、喜びを感じます。