KSIメンバーに聞きました
「環境問題の情報や知識、どうやってアップデートしている?」

KSIで、よくいただくご質問の一つが「どうやって環境問題の知識を得たり、情報をアップデートしたりしていますか?」というご質問です。これから環境問題の分野で仕事を始めてみたいという方は、学びたい、最新の情報に触れたい、という向上心が強い方が多いようですね!今回は、KSIメンバーが日常的にチェックしているチャンネルや活用しているツールなどをご紹介していきます。


気になるキーワードで情報収集するならGoogleアラートでニュースを自動ピックアップ

キーワードを登録しておくだけで、自動でウェブ上のニュースや記事、動画などをピックアップしてくれるGoogleの機能・Googleアラートをご存知ですか?

「気候変動」「エシカルファッション」「脱炭素」など、関心のあるキーワードとメールアドレスを登録しておくと、ウェブ上に掲載された関連コンテンツを通知してくれます。掲載されたらその都度、一日に一度、週に一度など、頻度を指定することもできます。


または、環境問題についての情報に特化したウェブサイトをブックマークしておいて、定期的にのぞく習慣をつけるのもおすすめです。KSIメンバーのおすすめは、オンラインメディアの環境ビジネスオンライン環境省のCOOL CHOICE、またはインスピレーションをもらえるパタゴニアの『アクティビスム・ストーリー』など。


気軽に情報に触れたいなら環境NGOや専門家のSNSやメルマガをフォロー

環境問題や気候変動を扱う専門機関や国際環境NGOのメルマガ、SNSをフォローすると、日常的に情報を得ることができるようになります。団体ごとに使っているSNSや発信内容が違うので、よく使っているSNSで、欲しい情報にマッチしているものを探してみましょう。

例えば、気候変動を扱う環境団体(カッコ内はKSIのおすすめチャンネル)なら、350.orgジャパン(メルマガ)グリーンピース・ジャパン(Instagram)FoEジャパン(Twitter)WWFジャパン(Twitter)など。

どの団体をフォローしたらよいかわからない…という時は、各団体のウェブサイトでどういうミッションで活動をしている団体なのかをチェック。また最近は気軽に参加できるオンラインイベントなどもあるので、まずは参加してみるとどんな団体かわかりやすいです。


そして、国際環境NGO気候ネットワークのディレクターで、2021年ゴールドマン環境賞を受賞した平田仁子さん(Twitter)や、国連で持続可能な投資の特使に任命され、テスラの取締役など様々な要職を務める水野弘道さん(Twitter)など、個人の専門家のSNSをフォローするのもおすすめです。


まとまった時間で学ぶなら専門機関のウェブサイトやYoutube

国立環境研究所のYoutubeには、環境問題研究の最前線にいる専門家による解説動画がたくさん掲載されています。特に、IPCCレポートの著者の一人でもある江守正多さんの「20分でわかる」シリーズはおすすめです!

IGES(地球環境戦略研究機関)の気候変動ウェビナーシリーズは、不定期に開催されている申し込み制のオンラインウェビナーで、気候変動の様々なトピックについて、IGESの研究員による詳しい解説を聞くことができます。

他にも、大学や企業が提供するオンライン講義を無料で受けることができるCorseraにも気候変動関係の講座があります。ファイナンス関係に関心がある方は、Climate Bonds InitiativeのYoutubeも充実しています。


ソファーに座ったまま学ぶならドキュメンタリー映画を見る

『不都合な真実』は、この作品でノーベル平和賞を受賞した元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏のドキュメンタリーです。2006年に作られた第一作では、「個人の行動」の大切さが綴られていますが、続く2017年の「不都合な真実2放置された地球」では、もはや「個人の行動」だけでは解決は不可能と締め括られ、10年の時を経て気候危機対策が進んでいない危機的な状況に警鐘を鳴らしています。

環境アクティビストとしても知られる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏がナビゲートする『地球が壊れる前に』は、ディカプリオ氏自身が氷床が融解する北極から石油採掘場までリアルな現場をめぐります。一緒に体験した気持ちになりながら、気候変動の危機的な状況を知ることができます。

長期休暇や週末を使ってじっくり本から学ぶ

年末年始の休暇を使って、1冊じっくり本を読んでみるのもいいかもしれません。

KSIメンバーは、ナオミ・クライン氏の『地球が燃えている』、デイビッド・ウォレス・ウェルズ氏の『地球に住めなくなる日「気候崩壊」の避けられない真実』などをおすすめします!

”気候変動”と関連しながら、少し違った知見に視野を広げるなら、現代の社会構造への疑問を投じる斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』や、サーキュラーエコノミー先進国のオランダの実践例を多く取り上げる安居昭博氏の『サーキュラーエコノミー実践:オランダに探るビジネスモデル』もおすすめです。

週末に時間をとってソースとなる情報に直接触れる

環境問題や気候変動に関してはご紹介した通り色々な立場の方が色々な発信をされています。中でもその根拠として多く参照されているのが、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)の報告書です。

この報告書はWMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)により1988年に設立された政府間組織が発行しているもので、2021年8月現在で195の国と地域が参加し、世界中の科学者の知見に基づく情報を得ています。

科学に基づく客観的データを示しながら細かい分析を行なっているこの報告書、誰でもアクセスできるので、「ソースに直接触れたい!」という中級者以上の方は、一度目を通してみるのもよいかもしれません。「自分で解読するのは難しい…」という方は、IPCC報告書の解説サイトや動画もあるのでぜひ検索してみてください。

IPCC報告書(第6次評価報告書)https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-cycle/

和訳 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar6/index.html#SPM


また、WWFジャパンや自然エネルギー財団、IGES、influence mapなどの市民団体/研究機関のレポートもおすすめです。

日常的に情報が入ってくる環境を作ってみよう

他にも、環境問題に関心が高い人の間では、環境NGOのボランティアグループに所属したり、環境コミュニティでSlackやFacebookグループを作ってニュースをシェアしたりしている人が多いようです。様々なアンテナを持った仲間とつながって、情報に触れられる環境に身を置くことが有効かもしれませんね。

ご紹介したツールやチャンネルをぜひ日常の中に取り入れてみてください!